薬草資料館
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ジャーマンカモマイル
【生薬】カミツレ 開花している花を摘み取り、陽乾する。
【成分】精油:chamazulene,α-famesene,matricin,bisabolol、クマリン類:asculetin,herniarin,umbelliferone、フラボノイド:apigenin,quercetin、糖類:inositol、taraxasterol、dihydroxycinnamic acid、triacontane 等。
【効能】駆風、発汗、消炎、鎮痛、鎮痙、強壮、健胃、整腸薬としてかぜ、神経痛、リューマチ、腰痛、不眠症、喘息、便秘、下痢、胃腸炎に広く用いられる。香料としてリキュール、香水、シャンプーなどにも応用される。また、神経痛、リューマチ、腰痛に浴剤として用いる。 -
アラビアコーヒーノキ
【生薬】コーヒー豆 赤熟果実を採取し、2 ~ 3 週間天日乾燥し、脱穀機で果肉皮や銀皮と呼ばれる内皮を除き、焙煎する。
【成分】caffeine,caffeic acid,chlorogenic acid,niacin,trigonelline 等。
【効能】現在は嗜好飲料として飲まれています。含有成分のcaffeine は興奮作用、心筋収縮増強作用、平滑筋弛緩作用、利尿作用などがあります。 -
ナンテン
【生薬】ナンテンジツ(南天実)秋から冬に果実が熟した時採取し、後陽乾する。
【成分】アルカロイド:domestine,berberine,isocorydine,jateorrhizine,domesticine,isodomesticin,nandazurine,sinoacutine,higenamine、フェノール配糖体:nandinosideA,B 等。
【効能】民間薬として百日咳や気管支喘息に用いる。 -
フウ
【生薬】ロロツウ(路路通) 冬に採取し、夾雑物を取り除き、水洗後陽乾する。
【成分】未詳。樹脂(楓香脂)にはcinnamic alcohol,borneol,cinnamic acid,cinnamylester 等を含む。
【効能】鎮痛、通経、利尿薬として胃痛、腹痛、関節痛、月経不順、浮腫に応用する。また、アレルギー疾患や打撲捻挫に用いる。 -
ネナシカズラ
【生薬】トシシ(菟糸子) 夏から秋にかけて、果実が完熟する前に寄主ごと刈取り、陽乾した後たたいて種子 を落し、箕でふるって種子だけにします。
【成分】β-carotene,γ- carotene,5,6-epoxy- α-carotene,taraxanthin,lutein 等。
【効能】茯菟丸、小菟絲子丸などの漢方処方に滋養強壮剤として強精、遺精、夜尿症、淋病、膝や腰の冷え、頻 尿、目眩などを目的として配合される。薬用酒として滋養強壮に飲用される。 -
イタドリ
【生薬】コジョウコン(虎杖根)茎葉部が枯れた秋から冬に根茎を掘り取り、水洗後長さ10㎝程度に切ってから陽乾する。
【成分】anthraquinone 配糖体:polygonin、stilbene 誘導体:resveratrol、flavone 配糖体、tannin 等。
【効能】民間薬として緩下、利尿、通経薬として常習便秘、膀胱炎、月経不順、閉経、関節炎に用いる。 -
ヒオウギ
【生薬】ヤカン(射干)秋に根茎部を掘りおこし、水洗後ひげ根を取り除いてから陽乾する。
【成分】isoflavone 配糖体:belamcandin,iridin,tectoridin 等。
【効能】消炎、利尿、鎮咳、去痰薬として咽喉痛、咳嗽、喀痰、リンパ腫、腫物に用いる。射干麻黄湯などの漢方処方に配合される。 -
クチナシ
【生薬】サンシシ(山梔子)秋に黄変した完熟果実を摘み取
り、果柄および萼を除去し、陰干しする。
【成分】iridoid 配糖体:geniposide, geniposidic acid,10-
acetyl geniposide,gardenoside、カロチノイド色素:
crocin 等。
【効能】消炎、排膿、止血、利胆、解熱、鎮静薬として肝炎、
黄疸、鼻血、吐血、血便、血尿、胃潰瘍の出血、不
安、不眠に応用する。茵蔯蒿湯、黄連解毒湯、清肺
湯、梔子厚朴湯等の漢方処方に配合される。打撲ね
んざに黄柏と共に外用する。 -
イトヒメハギ
【生薬】オンジ(遠志) 開花期の根を掘り取り、陽乾する。通常、木部を抜き去って皮部のみとする(肉遠志、遠志筒)。
【成分】onjisaponinA~G,tetramethoxyxanthone,tenuifolisideA~D,polygalitol, β -amylin 等。
【効能】鎮咳去痰薬として用いられるほか、精神安定や健忘
症の改善に、帰脾湯や竜骨湯などの漢方処方に配合
される。 -
アミガサユリ
【生薬】バイモ(貝母) 5 ~ 6 月頃、地上部が枯れるので
掘りおこし、外皮を剥ぎ、石灰をまぶしてから陽乾
する。乾燥後表面の石灰をとり除く。
【成分】アルカロイド:fritilline,fritillarine,vrticine,verticilline,
apoverticine,peiminoside 等。
【効能】鎮咳、去痰、排膿薬として咳止め、痰切り、催乳、
止血、腫物に応用する。清肺湯、当帰貝母苦参丸等
の漢方処方に配合される。 -
モモ
【生薬】トウニン(桃仁) 初夏、果実が成熟する時期に採
取し、果肉と核殻をとり除き、陽乾する。
【成分】青酸配糖体:amygdalin,prunasin、脂肪酸:oleic
acid,linoleic acid、酵素:emulsin、ステロール類、
タンニン等。
【効能】婦人病に用いる代表的な生薬で、桂枝茯苓丸、大黄
牡丹皮湯、桃核承気湯などの漢方処方に配合される。 -
カブ
【生薬】ブセイ(蕪菁)、ブセイシ(蕪菁子) カブの塊根と
種子。
【成分】アミノ酸、ブドウ糖、ペクチン、ビタミンC、
isothiocyanete 等。
【効能】民間では便秘に根や葉を食べる。しもやけに根をす
りおろして患部に塗布する。円形脱毛症、おでき、
そばかすに種子をすり潰し患部に塗布する。